材検と・・・。
出たー! 恒例の構造木材材料検査。 略して材検・・・。
乾燥終了ストック材をグレーディング。 適所への番付け作業も並行して。
朝からこればっかり・・・。でも、ちゃんとやりますョ。 含水率計測。 NG品は再乾燥工程へ強制連行。
含水率表示・ 18・5%。 よしよし。 やっぱ20%きらないと・・・。
材検・山岳部・・・。
疲れた? 呆然とする森岡大工。 担当大工も材検には立会うのがルール。
建販の材検は、全棟、全構造部材で完全実施。 主に含水率計測と材割れの有無、木味などの目視検査が
メインですが、グレーディングマシンを用いたヤング計測もやる! はっきり言って材木屋さんにしてみれば
相当にうっとうしいはず・・・。 いつもご迷惑おかけしてすいませんねェ・・・。 でもね、でもですよ・・・、
一生に一度の大勝負で家を建てようとしていらっしゃるお客様にとって、この材検、当たり前のことだと思い
ますが、いかがでしょうか?・・・。 KD(乾燥木材)指定しているにも拘わらず、県内ではなかなか適切な
含水率の材料にお目にかかれないのが現状でして、まさに由々しき事態。 悲しき県産材事情であります・・。
杉の乾燥が特に難しいのは重々承知いたしておりますが、乾燥材指定をしても含水率35%超えなんてモノ
もザラにある・・・。これでは乾燥木材と呼べないことは誰の目にも明らか。
家となってしまってから乾いていくような事態が非常に怖い訳です・・・。
(だから、日本農林規格:JAS基準では、構造使用木材の含水率は20%以下とちゃんと定めている)
木は含水率30%をきったあたりから徐々に、材収縮・反り・曲がり・などの外形・内形変化が起こるのです。
材割れなどが発生することで商品価値を落としたくない、といった出荷者側の気持ちは良く理解できますが、
そもそもが木材需要とは 『良質な木の家が欲しいね!』 といった 消費者側の純粋なるニーズと善良なる
気持ちによって支えられているということを忘れてはならないと思います。
『別に品質なんてどーでもいいから、てきとーにやっといて!』 なんておっしゃるクライアント様はまず皆無
でしょう。 様々な条件が整い、 よしっ。いよいよ家を建てようか! と念願かなって意気込むクライアント
の皆様は一様に口を揃えておっしゃいます。『構造材は、しっかりと、ちゃんとした材料でお願いします。』 と。
『出来たら県産材で』 という声も以前に比べてずいぶんと多くお聞かせ頂くようにもなりました。
我々、工務店、ビルダー、はその切なるご要望に対し、もちろん 『お任せ下さい!』 とお答えするのでしょう
が、その一方で、キチンと適切な品質が担保された構造木材料(杉)の県内調達がいかに困難を極めるかは、
造り手サイド・出荷サイドのかたは充分にご承知のことと思います。 (特に乾燥杉材については・・・。)
ここ数年、この鬱積した個人感情と、企業経営を預かる者として、そして何よりも、『木の家』をお届けするに
あたっての最終供給者として、その最前線でつぶさに考え、自問し、弊社で出来得ることは実践し、現場へ
フィードバックして参りました。その姿勢はこれからも是非、貫きたいものと考えておりますが、他県林産地
の設備や流通、市場製品、などの圧倒的な品質優位性を見るにつけ、地元材を取り巻く品質環境の脆弱性に
危惧を感じずにはいられません。 (そもそも他県では造り手側からの乾燥木材の要求度が圧倒的に高い!)
様々な事由があるにせよ、県外産との品質差はどうやら開く一方の感がございまして、本来、出荷者側が行う
べきこの 『材検』 も、売る人ではなく、買った人の責任において行わなければならないのが県内実情・・・。
材料をどんどん出荷することには皆さん大変熱心なのですが、こと、品質への追求となると、?マークが
大きく点灯してしまいます。 確かに日本に生息する様々な樹種のなかでも、おそらく1,2を争うほど、杉の
乾燥は難しい・・・。その点はよーく 解っているつもりですが、わたし共としても、自分の家ならばともかくも、
お客様の財産となるものなので、『じゃあ、今回は大サービスで含水率35%でもOKにしちゃいまーす!』
とは、やはり出来ない訳です。 県外の林産地・木材集積地にも少なからず似たような問題はあるようですが、
生産者・出荷者と造り手が知恵を出し合い、克服。 JAS基準に準じた品質の木材を生産する人がいて、
またそれが欲しい、という造り手やエンドユーザーがたくさん存在しています。
我が地元、鳥取の木材もそういう環境下でドンドン出てきてほしいわけです・・。
だって、木の素性はすこぶる上質。 他県産に劣るどころか明らかに勝(まさ)ってますから・・・。
本日の材検および駄文でのわたしの胸の内を少々・・・・。 ふーーー。
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