経年を楽しむ暮らしかたジャーナル

手と道具

家づくりは住む人の暮らしに最適な住まい、そして安心して暮らせる空間を創造する暮らしづくりを考えています。
『家づくり』と聞くと「大工さん!」と連想する方も多いかと思いますが、一棟を完成お引き渡しするまでにはたくさんの業者さん、職人さんが携わっています。
そこでついつい見入ってしまう職人さんの長い年月使い込まれた道具。熟練の技から生み出された美しい仕上がりを手掛ける手。

ついつい見入ってしまう職人の手。 何故か職人さんの手を見る癖が自分にはあります… 癖というか職人さんの手が好きなんだろうな。 見ててすごっ! と思って握手したらもっとすごっ! って。 手の皮が分厚くて固い… そんな職人さんに手の写真を撮らせて下さいとお願いすると『汚いで~いいだか?』と笑いながら撮らせてくれました。
昔の怪我のあとや、手の厚み、手のシワ。 ゴツゴツしていたりカサカサだったり時には怪我をしている手。 いい良い意味で本当に汚い手… 笑
しかしその手には長い年月をかけて培われてきた技術と経験と信頼、言葉では語り尽くせない物語が詰まっているようで好きです。

道具

仕事に欠かす事のできない道具
現場には職人さんたちが愛用する、プロフェッショナル仕様の見たことのないさまざまな仕事の相棒ともいえる道具があります。
同じ用途の道具でも職人さんの手に応じて、大きさも形も異なりますし、同じ道具でも多種多様な道具が存在します。 職人さんの手に馴染み、最高のパフォーマンスを発揮できるように、道具も進化してきたのでしょう。
おこがましくも相棒ともいえるプロフェッショナル仕様の道具を見ていて使い方が分からなかったり用途が知りたかったら聞いて教えてもらい少し使わせていただいていますが、なかなか…
恐らく自分自身が使うことは聞いた時だけで、これから先はないと思いますが職人さんの変わった道具は魅力的で欲しくなったりするんですよね。 壁一面に飾ったら格好いいなっと思いますが間違いなく叱られるだろう…

何の職人さん?

道具を見れば何の職人さんか分かった方もおられたかと思ますが分かられましたか?
・平掴み箸
金属板を掴んで曲げたり、折り曲げたりする際に使用します。
・板金鋏
金属板を切断する際に使用します。
・板金ハンマー
金属板を叩いて成形する際に使用します。
・キワロール
金属板の端を丸めたり、折り曲げたりする際に使用します。

と、たくさんある道具の中の一部です。

薄い金属板を使って、切断したり、折ったり、曲げたり延ばしたりして塑性加工する技能・技術を有し屋根・外壁・雨樋と様々な建築物の所定箇所の製品を加工して取り付ける建築板金の職人さんです。

仕上がった屋根、外壁、樋などは家を守る大切な場所でもあり、人の目にもよく写る所なので技術も美観も熟知されております。

極めると…極めすぎると?このような銅板で折り鶴を技術の向上をはかる為に制作されるようです。銅板は紙と異なり折り曲げるのが難しい素材です。そのため銅板で折り鶴を作るには高度な板金技術が求められます。
ですがこの鶴には意味があるようで、銅板折り鶴は、広島の原爆ドームに捧げられた千羽鶴が焼失したことを受け京都板金工業組合の青年部が燃えにくい銅板製の折り鶴をつくって広島に送ろうじゃないかと考案され広まったようで、二度と失われることのない平和への願いを形にしたものらしいです。

銅板は経年劣化により色合いが変化していくため、時間の経過とともに独特の風合いを楽しむことができます。

私が興味があり私目線で職人さんの事をちょこっと書かせて頂きました。 文頭にも書かせて頂きましたが一棟完成お引き渡しするまでに、たくさんの職人さんの手が携わっています。
建築現場ではさまざまな職人さんがそれぞれの専門性を活かし、協力しながら一つの家づくりを完成させます。
普段何気なく通る建築現場もこうした背景を知ると見え方が大きく変わって楽しめるのではないかなと思います。
建築現場の近くを通る際には職人さんたちの仕事ぶり注目してみてください。
また若い世代の方々にも建築の仕事に興味を持ってもらえる機会となればなと思います。

Profile

山根伸助

YAMANEShinsuke

工事担当

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