一昨日は弊社から車で1時間、「しそうの森の木」さんへお邪魔し、木材プラントの見学といつも懇意にさせていただいている「ヤマヒロ」さんの現場見学に出かけてまいりました。私はこのプラント見学は通算3回目となりますが 相変わらずの徹底された木材品質管理を継続されております。 杉無垢材のプラントはこの20年来、全国数多く訪問していますが 飽くなき品質追求姿勢と実際に生産される杉無垢材の品質はおそらくNo. 1かと思うところです。かの日本を代表する木構造研究の権威の先生もこのプランントにはお墨付きを出されたとのことで、木の集材から乾燥、グレーディング、製材、製品、手加工プレカットまで、まさに理想とする一気通貫のプラントがここにはあります。意匠性もさることながら家の構造材、しかも無垢材ですので管理不行届きによる木材内部割れ・木材端部割れなどは非常に怖いこと。木材端部(ボルト金物の接合部となります)があらかじめ干割れしているような品質無管理の無垢材を使用すると、地震時のいざという時に 肝心なボルトなどが簡単に引き抜けてしまい、家として決定的な変形・ダメージを与えることに繋がりかねませんので 私たち造り手も無垢材を使用する場合は この部分に関して細心の注意を払う必要があります。また、乾燥があまい状態での上棟、家づくりを行なってしまうと 木材は家となってからも乾燥を続け、その乾燥過程ではかなり高い確率で材収縮・干割れなどが発生してしまいます。(ピシッ、パキッなどの乾燥音がします)家となってしまってからの 壁・天井裏や小屋裏などの目に触れない部分で 寸法変化や割れなどの構造欠陥が起きてしまうことは何としても防がねばなりませんので 無垢材に関しては徹底された品質管理が不可欠なのであります。 そういった無垢材の品質リスクをあらかじめヘッジングするためにも 出荷者として意識の高い「しそうの森の木」さんのようなプラント、そしてもちろん「JAS機械等級区分」による格付けラベリングされた無垢木材が必要なのであります。
我が県内にもこのようなプラントがあればと切に願う次第であります。
端部割れのない意匠として成立する架構・グレーディング。
プラント内部。木材品質レクチャーを受けながら。
グレーディングマシン。「JAS機械等級区分」製材の供給には必須の検査マシン。
真空減圧乾燥機。 無垢材端部割れ・内部割れを起こさず、何と言っても木材の木味(色・艶)・上がりが良い。
この度の夏はカレンダーの具合が良いのか悪いのか、久々に比較的長期のお盆休みをとらせていただきました。とは言いつつも なんだかんだでちょいちょい仕事はしなければなりませんが、突如「大仏と鹿が見たい!」との娘たちからの要望がありまして日常の罪滅ぼしも兼ね しゅーっと奈良へ。
とにかく大きい東大寺。
もはや大仏より気になる屋根架構。
模型でじっくり再確認。実に興味深い。
結局 大仏と鹿の写真はございません・・。
弊社からかなり近くにある住宅街の角っこに完成いたしましたTさま邸。盛夏目前の良き日にお引き渡しを終えました。枕木アプローチから小径をぬう感じで玄関までいざなうのですが、植栽工事を終えたばかりなので木々も草花もまだ背が少々低うございます。もちろんガレージからのアクセス・アプローチもあるのですが、オフィシャル的なアプローチとしましてはこのような感じに。もう少し歳月を重ねてまいりますとアニメ”花の子ルンルン”主題歌・歌詞のような木々のアーチを抜けて家路につく感じの小径になればとのイメージでございます。(些か昭和でしょうか)
家の本体外壁に部分展開しております板張りの部分は ベイスギ柾目板でありまして、横張りと縦張りのコントラストの演出を施し、1Fの出隅(90°)部分においては双方向から一枚の板をそれぞれ45°でカットし 寸分の狂いなくぴったりと取り継いでおります。これぞ柾目の醍醐味・納まりではあるのですが 経年の寸法変化が極めて少なく、安定のフォルム構築に一役買っております。
例によってお施主様プライバシー情報保護の観点よりお披露目はございませんが 街角に一服の清涼漂うパッシブデザインの家、完成でございます。
利便性の良いエリアで中古住宅を購入して一大リノベの敢行か、或いはいっそのこと新築か。ならば土地はどうする? などとかれこれ2年ちかくの模索・検討をご一緒させていただきまして ようやくたどり着いた「やっぱり新築で」という解。市内の某所、かなり交通量の多い主要道路に面した敷地に このたびKさま邸が完成。コンパクトにまとまったお宅なのですが、内部はどどーんと広く、全館空調完備の凛としたお住まいなのであります。一見するとシンプルな配置に見えるのですが 設計上、実は造作のキッチンの在り方(サイズ・配置位置 含む)については幾度となく立ち止まり、模索を重ね喘いだ経緯を思い出します。あれこれと考え始めるとドツボっていくといいますか、”えーっと、で、骨子はなんだっけ” みたいなことに陥りがちなのですが やっぱりキッチンが上手く収まらないと 良きLDKにはならないのでは、と思っております。結局のところ、お母さん(このお宅はお父さんもかなりメインでキッチンに立たれますが)がお料理の最中にも お子様とのコミュニケーションがとれるよう、家電群配置のバックカウンターからそのまま流れるように勉強机を配置したスタイルに落ち着いたのであります。なんだそんなことか とは思うのですが、なぜかキッチン附近に嵌り込んだ案件でございました。そうそう、リビングの端っこには大人用の2人掛け書斎コーナーも併設なのであります。 Kさま、ガンガン使い込んでくださいませ!
シンプルなLDK。光る棚もあります。 バックカウンターの端っこが勉強机。
ねぶた祭り風の居酒屋。
恒例といいますか、なんとなく2年に一回くらいのペースで みんなで研修旅行という名の旅にこっそり、ひっそり、なるべく多勢にならないように出かけているのですが、今回は本州最果ての青森そして海を越え北海道へ。どうしても本州から北海道へフェリーで行きたい!という奇特な方がおられまして 青森満喫の後、翌日はフェリーで函館へという旅程であります。よせばいいのにバスの中ではいつもの宴会がすぐにスタートいたしまして、今回の旅も 昭和バス旅行感覚どっぷりでの珍道中でございました。訪れる先々では必ずと言っていいほどなんらかのハプニングが起こり、奴はどこへ行った、あの辺りで見かけたけど・・などという繰り返し。珍道中が少々過ぎたのか おかげさまでほとんど写真を撮っていないことに気づく有様。いろんな所に行ったのに・・。楽しき旅。出演者のみなさん、どうもありがとうございました。また行きますかね・・。
まともな写真が2枚あった・・。 青森県立美術館。
と 函館 五稜郭。
市内の某所にスッキリと切れ味のいいお家が完成いたしました。いつもは私の方で、いんぐりもんぐりと悶えながらプランニング設計をするのですが、なんとこの度はお施主様(一級建築士)が長年あたためられ、更新を重ねた渾身のプランを持ち込みされての施工とあいなっております。(弊社では初のパターンかと)私のプランも一応、及第点は頂いたのですが 一世一代の新居建築でありますので そこはやはりご自身で熟考されたものでいきましょう!と清らかな合議。確かにこのNさま邸、動線や各所の繋がり、各々のビュー展開など さすがによく練られたプランでありまして 仕上もシンプルかつ非常にイサギの良い建材チョイス・ご指定となっています。こちらとしても今後の良き糧とさせていただけた次第。その代わりと言ってはなんですが、構造と温熱をはじめ下地及び隠蔽部分はしっかりと、仕上げ端部などは切れ味鋭く 研磨された手道具でシャープな取り合い施工となるよう目を行き届かせております。 末永く宜しくお願いいたします!
シナパネル仕上げにてシャープに。リビング家具には床下エアコン内蔵。
スッキリとした外観。
暖かくなりまして満を持してのお引き渡しシーズンの到来。閑静な住宅街に少し凛とした佇まいのお宅が完成いたしました。少々間口が広めの敷地ゆえに 家の前にカーポート、ではなくて 間口平行ライン上に車寄せのある居宅となっております。玄関までの距離も結構ありますので ややウエービングしたルートの枕木ステップを経るオフィシャルアプローチとしています。壁・平天井・勾配天井ともに板貼り仕上げとしていますが、それぞれ使用樹種と木目の仕様(柾目と板目)に変化を与えてありますので 経年の色彩的変化も塗装ベタベタ塗りでは得られない 無塗装ならではの木材本来の素性・チカラを活かした特徴あるものになるのでは と思っております。内部はデッキを囲んだL型配置のLDKに。将来の家族構成の変化に対応するよう 1Fは回廊動線を有していますので一定の経年後も暮らしやすい家となっています。Hさま、お待たせでございます。是非ごゆるりと。
木々の植樹も芽吹きの時期でよかった
弊社で製作にて設置される いわゆる”造作キッチン”ですが いつも最終まで悩ましいのがSUS天板の仕様を決定すること。素材の見た目のみならず、DK空間との相性、照明の反射光など 微妙に方向性の差異がありまして キッチンの設計上、無きアタマを悩ますことしばしば。 大別しますとSUSヘアライン仕上げとSUSバイブレーション仕上げがありまして ツヤツヤピカピカ、一定方向に細かな線状模様があるのがヘアライン仕上げ。一方、ややくすんで鈍く光るものの いかにも王道プロユースっぽい感じのものがバイブレーション仕上げとなります。それぞれ傷の付きやすさ、付きにくさ、見た目のシャープさ、無骨さ(良き意味で)、などと特徴はあるのですが、同じSUSでもこうも違うかという意匠。それゆえに製作のGO直前まで悩まれる方も多々ありまして・・。私見としては一択なのですが・・。
ヘアライン。
バイブレーション
さていかに。
春の訪れとともにこれまで机上での計画だった案件も いよいよ実施へと動き出していきます。春の陣でありますので完成はこの秋から晩秋にかけてくらいでしょうか。いずれもUa値0.33〜0.35の外皮性能と省エネ全館空調システムを備えた居宅となります。とはいえ数値性能もさることながら 内外装ともに人の目と体感を伴う 実際の心地よさを実現することが最大のミッションでありますので、焦らずゆっくりじっくりと進めて参りたいところであります。
Mさま邸。
Tさま邸。
Fさま邸。
今シーズンの雪はあまり降りません。待ち望んでいる訳では全くないのですが、降った日でもこんなものなので例年に比べるとやや拍子抜けの感。たまーにドカン、はあるので気は抜けませんが。
ちなみに良き季節になりますとこんな感じ。左が事務所棟、右がモデル棟となります。春はもうすぐそこ。
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