実は、今月の1日から12日までの約2週間の期間に、鳥取開発公社さんの募集する設計コンペが
実施されておりました。
旧鹿野町(現在は鳥取市)湯川団地に計7棟のモデル住宅を建築するというもの。
いくつかのお題コンセプトをクリアすれば、設計は自由。 敷地についても7区画のうち好きな所を
選んでもOKとのこと。
ふむふむということで、わたしも参加してみましたところ、大変ありがたいことに 『採択』 との通知
をいただきました! (南向き・角地をゲット!)
早速、本日は、採択者合同説明会なるものに出席させていただき、詳細のご説明を受けてきましたが、
なんと、7棟の枠に対し、33件もの応募があった模様・・・。 とほほ・・ ありがとうございます。
今年の年末には完成予定ですが、構造・完成見学会等も予定されているようです。
OMソーラーを搭載した鳥取型環境共生住宅・湯川の家。 ご期待ください。
工程表、見積もり書などとあわせ、設計図とコンセプトをA3用紙2枚に表現せよ、とのこと。
時間的に、なかなかきびしかった・・・。
ちょっと前になりますが、木材の乾燥(乾き方)について、また次回に・・とのコメントを書きましたが、
その続きを・・とのご要望をT様、H様よりいただきました。 すいません、連日の暑さにより、すっかり
忘れておりました。 ということで、前回に引き続き、木材の乾燥について少々・・・。
さて、乾燥材の重要性はご理解いただけたとして、なぜ乾燥材を使わなければならないかを
ちょちょいとご説明。
木材の水分が抜けていく過程で、材の収縮や変形、割れなどが発生することは、木の特性なので
ある程度は仕方のないことですが、木の家の構造材などに使用する場合は、あらかじめ含水率20%
程度まで下がった材料のなかから選別・選定する事で、そのリスクを避けることが可能になります。
しかし、そうでない場合(含水率が高いまま)は、家の構造となってしまってから徐々に乾いていくので、
なかなかやっかいな問題が発生してしまいます。
特に、木が乾く過程として、木口 (こぐち:木を切断した断面部) からの水分蒸発量が著しいため、
それに伴う木の変形・収縮・割れが主に木口付近に発生しがちになります。
この部分が木口 (こぐち) :写真は弊社ストックヤード県産杉構造材 H240 の梁材。
では、この木口付近、家となったときには、いったいどの部分に該当するのでしょうか。
じつはこの部分のほとんどすべてが、柱と梁、梁と梁、桁と柱、桁と桁など、構造の重要緊結部分に
見事に該当。 またその部分は、木と木を強固に接合する為の構造金物を必ず使用する位置でもあり、
木組みの家の最重要部といってもいいでしょう。
もうおわかりかとは思いますが、この木組みの最重要部で、しかも家となってしまってからの木材の
乾燥による、収縮・変形・割れが発生してしまっていたらどうなるのでしょう・・・。
いざという時、その部位の構造金物はちゃんと働いてくれるのでしょうか・・・。
地震などにより、その部分に応力が集中したとき、接合部破断等を招きはしないでしょうか・・・。
このような懸念があるため、決して見た目だけではなく、木組みの前に木材含水率を下げておく必要が
あるわけです。その他にも木の乾燥変形による住宅への影響は、床のむくり、床鳴り、建具の開閉不具合、
など様々。 このようなリスクは やはり事前回避したいものです。
家の第一条件は、先ずは命を守るボックスであること。
供給サイドの考えとして必須であろうと考えています。
しかしながら、留意したいのは、乾燥工程による木の収縮や、過大な割れ、変形が発生してしまった材料
のすべてがNGではないということ。 さすがに構造材としては使用できませんが、引き直し、小割りを行い
内外部の下地材、その他補足材としてきっちりと使い切ることが大切です。
まじめな木を、まじめに使って、まじめな木の家はできるのだろうと思っています。
朝はやく、スーパーはくとで新大阪へ。
今日は上方町家の会・勉強会の日なので大阪のとあるビル会議室を目指します。
まだAM6:39なので、スーパーはくと車内も ガラーーン・・・。
この車両には わたしを含めて えー、いち、にぃ、さ、三人です・・・。
スーパーはくとでしょっちゅう大阪方面には行きますので お馴染みの風景ですが、垂水・舞子付近で
明石海峡大橋が見えます。 いつもこの辺りで眠くなる・・・。
いつもの会議風景。もう何回目かわかりませんが、こうやって毎回集まっていると、自然と自分の席
みたいな感覚が身に付き、いつも皆同じ席に座っていきます。
(わたしは手前PCの右側にいつも陣取ります)
会議(勉強会)の中身は毎回進化していきます。 が、
この上方町家の会、発足当時からですとすでに2年近くが経過し、ある人の頭髪の経過を見ても、
その時の長さを実感せずにはいられません。 大切にしたいものです。
さてさて、上方町家の会参加の関西圏5社は、いずれも負けず劣らずの勉強家揃いで、木の家の
供給側としての真摯な姿勢、品質に対する追求、その向上心にはいつもながら感心してしまいます。
弊社も頑張っていかないといけないと思っていますが、この約2年に渡る討議・議論・ときには紛糾の
集大成がこの夏(8月頃)ひとつの成果物として現れようとしています。
今日はそのプレお披露目&打ち合せ+新たな議論・討議・・・といったところでしょうか・・・。
いずれにしても、乞うご期待 です。
大工加工も終わり、本日はお日柄も良く 上棟です!
朝早くから現場に集合し、AM8:00にお清め後、第一発目の柱を起こします。
事前加工の甲斐あって、AM10:00にはほぼその外形があらわに・・。
鳥取県産材(杉)100%による架構。 登り梁・大タルキ工法です。
さすが大工さん。地下足袋の威力をいかんなく発揮。
順調に現場が進行していきます。 天候もさわやか・・・とは言い難くかなり暑い。
PM3:00ころには屋根防水シート、遮熱シート施工、屋根通気タルキ施工終了。
OMならではの働く家、屋根基本部分が完成。
6月中旬とはいえすでに真夏のような日差しの中、皆、よく頑張りました!
さすがにわたしもへとへとで、今日は残業という気分になれず早い帰宅を・・・。
鏡を見てびっくりですが、顔・腕が真っ赤っか・・・。
皆さん、ご苦労さまでした。 お先に失礼します・・・。
出ました!
恒例の木材・材料検査。 本日はみんなで仲良く山へ。
この材料検査があるということは、近く上棟があるということ。
M邸の加工前の材料選定にみんなが総力を結集し木材を吟味していきます。
乾燥が終了した県産杉の梁材を並べ、先ずは木口のチェックと末口、元口のチェック、
そしてどちらを上向きに使うのかを吟味。 つまり木の 『背』 と 『腹』 を見分け、適所に分配。
( これは梁材なので 『背』 を上向きに使用したいのです )
次に、何処にどの梁を使うのかを優先順位をつけながら決めていきます。
そして厳正なるチェックを経た選ばれし者たちはその 『背』 に番号をつけられていきます。
それから・・・・・。
いまさら言うまでもありませんが、含水率のチェックは必須。 高周波含水計で厳密に全数をチェック。
今回の梁もすこぶる良質で、色合い、木味ともに杉 本来の性質を損なう事なく水分だけをじっくりと
落してあります。 もちろん内部割れ、表面割れも無い状態で! まさに合格!
この含水率チェックもなかなか面倒な作業ですが、家をつくる前にこの木材含水率を落としておかないと
あとでエライことになってしまうんです。 まず木材含水率30%以上の状態だと腐朽菌が活性化・・・・・。
そんな状態の木材は論外としても、実はもっと注視すべきことが・・・。
実は木材って、含水率35%の状態から20%まで乾いていく段階の この15%がとっても重要なんです。
なにが重要なのかを教えちゃいますと、・・・
『木材の乾燥過程において、内部の水分移動によって起こる木の変形が、一番激しく発生する』
のが、じつはこの15%なんです。 興味のない方はいまいちピンとこないかもしれませんが、
木の家供給サイドにとって、これはかなり重要なポイント。 つまり・・・。
含水率35%以上の木材・・・・・ 申し訳ないですが木の家構造材として加工工程には入れません。
ただしこの段階までは収縮・割れ等の外形変化はほとんど無し。
含水率35%くらいの木材・・・・・ 一見、乾いているようだがまだまだその本性見えず。
これからの乾燥過程で収縮・割れなどの外形変化が発生します。
含水率30%くらいの木材・・・・・ 乾燥による外形変化発生中。
このあたりからその木の本来の性(しょう)が如実に現れます。
含水率25%くらいの木材・・・・・ だいぶ乾きましたが、もうちょっと心配。
このくらいになると木の個体差がはっきりと目視判定できます。
含水率20%くらいの木材・・・・・ 乾燥による外形変化はほぼ止まりました。
この段階で、初めて木の目合いや、等級、使えるもの、使えないものの
選定に入れます。いくら立派な木でもこのレベルの含水率まで下がって
なければ木の家の構造材としての使用はむずかしい。
木の家の構造材ならば、先ずは安全側に立って、含水率。
木の目合い、木肌、木味、等級、などの自慢大会は、少なくともこの
土俵にあがっている事が大前提です。
含水率20%以下の木材・・・・・ 実は厳密にいうと木材ってまだ乾いていくんです。
木の家となってからも6~7年をかけて最終的に13~18%まで
落ちていきます。ただし20%以降の外形変化はごく微小で、ミクロ
の世界。
木材には総じて上記のような性質があり、無垢材ならではのやっかいな面もありますが、 と同時に
無垢材ならではの替え難い良さがあるのです。
それでは何故、事前に木材含水率を下げておくことがそんなに重要なのでしょうか?
その答は、木材の乾き方にあるんですが、この続きは次回に!
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