FIN。 - 変わらぬ土手の風景とともに -
とある市内の某所に江戸の時代からつづく歴史ある土手があります。その土手には桜の木が植えられ、シーズンともなりますと心地の良い散歩道として多くの方に親しまれる由緒ある土手。その土手の小径(こみち)に沿いながら このたび凛としたお住まいが皆様のご協力のもと完成いたしました。敷地北側にある桜を中心とした土手の木々たちは、夏になりますとその葉っぱの蒸散効果から生まれる上昇気流によって 南から北へと爽やかな風を引き寄せ、窓を開け放てば 家に、そして住まう人に、心地のよい一服の涼風を届けてくれます。このような「地の利」を活かした暮らしこそが真のパッシブというのではと考えるところなのでありますが、この「地の利」を念頭に基本計画を実施したのが昨年の冬。はたしてその風は吹くのか、の実証も兼ねながらのこの夏の施工でございました。 全館空調と第一種換気システムを備えながら薪ストーブまで完備されたお宅ではありますが、季節がまいりました際にはぜひ存分に窓を開けていただければと思う次第です。 その風が吹くことは確認済みでありますので。
Profile
山内智晃
YAMAUCHITomoaki
代表取締役