壁のこと。
『OMソーラー・杜の家』
外壁の下地工事がほぼ終了し、工程はこれから外部の左官工事に入ろうとしています。
外部はそとん壁(白・塗り壁)と、板貼りにて仕上げて参りますが、先ずはそとん壁専用の下地モルタルを
仕上げておかなくてはなりません。
そとん壁モルタル下地前の板貼り&通気措置。
最近はとかくサイディング材なるものを多用した建築が全盛ですが、やはり外部はキチンと塗り壁で
仕上げたいものです。 手間と工期はかかるんですが、経年経過の美しさ、天然モノならではの存在感と
素材感、はたまた職人による手仕事の質感・・・などなど、工業製品の外壁材(サイディング)ではなんとも
表現・再現しがたい テクスチュア がそこにはあるのです。
耐久性についてもやはり塗り壁、板貼り、などの天然モノのほうが断然強い!
個人的な長年の研究より端的に申しますと・・・、
『素材そのモノ自体が呼吸できる材料は長生きし、呼吸することができない材料は短命・・・。』
つまるところ、素材自体が呼吸できない工業製品系の材料は、製造工場出荷時、若しくは材料の梱包を
解いたときが最高の状態でして、見事なまでのツルツルピカピカ。 いやはや当初の見た目もとても綺麗で、
石目調、タイル調などのバリエーションもすこぶる豊富ときたもんだ・・・。
初期撥水性にも優れ、なかにはセルフクリーニング機能までも施してある・・・。さらに工事もあっという間の
施工で終了、工期もぐぐっと短縮できて・・・。 まさに現代日本の住宅用外壁材の決定版といった感じでして
この20年、あれよと言う間に街中を、住宅街を、はたまた中山間地までも席巻した次第・・・。
でも、なんだかおかしいぞ、と思う訳であります。
サイディングなど工業製品系の材料の特徴として、その耐久性能や耐候性能のほとんど全てを表面の
塗装膜に頼っているのが現状でして、瑕疵担保保険の背景からも、なんとか10年耐える表面強度を確保
することが製造メーカーの最重要課題となっている感があり、長期にわたってローンを支払う身にとっては、
10年はいいけど、その先はどうなんだろう・・と思ってしまう・・・。
はたまた、1Fはどんなサイディングの柄にして、どんなふうに見せようか・・2Fはどんな模様に・・・などと
考えたり、選んだりすることが、本来の 『家をつくっていく』 ということと ついついなんだか置き換えられて
しまってはいないか・・・、などと考えたりもするのです。
やはり、もっと前段階、使用素材選定からの検討を、そして外部は塗り壁、板貼りなどの自然素材
(呼吸素材)で仕上げたいものです。 築20年~25年くらいの外部改修工事現場などちょくちょく
見かけますが、やはり頼みのサイディング塗膜面は見る影も無し・・・。
撥水性に富んだ材料のはずなのに、塗膜面が無くなってしまってからは、雨水、湿気などを吸いっぱなしで、
つまるところ全面張り替えの憂き目に・・・。
自然素材でつくりましょう。
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