肝(きも)。
外壁を構成する仕上げ材としての板貼り部・出隅(ですみ)。
隅角部ですので留め納まり(45°)にて部材同士が取り合う
のですが、お互いが木材の端部同士であることから、その
先っちょ部分の木材の狂いや開きなどが出易いところ。
経年後だとなおのこと・・。
Mさま邸/ストレート勝負の板貼り外壁。
スッキリとシャープに ”留め付け” にて納めたいので
ささら子(押え桟)やコーナー部材は使わない。
釘も極力使用数を減らし、真鍮釘で。
ただし、釘を打つポイントが実はポイントなのだ。
玄能(金槌)は上向きに擦るように優しく打つ。
ヒットミスなどは厳禁!
つまり、こういった納まり部は いわゆる 板貼り壁・意匠上の
泣き所 となる訳ですが、キチンとした木材のチョイスが成され、
大工の手による木材のクセ取り、手鉋(かんな)にての調整、木口
の撥水処理などが 一枚ずつキッチリと施されることで 泣き所
どころか 腕の見せ所 へと変化します。
設計図面もそうですが、様々なライン(線)の集合地点を如何に
シンプルに纏めるか、ということが肝要なようです。
Profile
山内智晃
YAMAUCHITomoaki
代表取締役