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開口部の考察。

Category / ブログ
2022 12.04 update

S邸リビング・ダイニング。先週お引き渡しのSさま邸:左官職人による塗り壁材と木のみで設えた静謐な空間

 

 

市街地にありながらも閑静な住宅街区にこの12月完成したSさま邸。長らくの工事にお付き合い頂き誠にありがとうございました。このお宅のリビングは正面に大型の木製引き込み戸を配し、限定的且つ印象的な光源としながら その他の壁はちいさな開口部としています。光源に対してあまりに大きい開口部をつくると 陽光の入射により室内が明るいのはいいのですが、そのぶんコールドドラフトという現象を招きやすく、暖房室温としては充分なはずなのに窓近くがすこぶる寒いという状況が起きてしまいます。室内といえどもじつは微気候が発生しておりまして 暖かい空気は必ず冷たい面に対し気流となって移動することから その「気流」を感じることで寒い、となる訳です。そうならないように全館空調の暖房床吹き出しスリットを開口部の床面に配し、言わば逆流の形で温風を吹き出すように計画するのですが、あまりに開口部が大きい場合には このコールドドラフト現象が防ぎきれない状態となりますので大開口部の連続計画の場合は注意が必要です。一方で開口部にはダイレクトゲインという 陽光の入射で室内インフィルを温める(蓄熱)という効果もありますので 適切な開口面積と入射方位によっては有効に作用いたします。いずれにしましても開口部(窓)の計画では温熱的な事前シミュレーションでよく考察した上での施工が肝要なのであります。

 

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