鳥取市・Nさま邸のDK ダイレクトゲインを存分に誘う目論見
師走が近づき、だんだんと外の寒さが堪える季節となって参りましたが 年の瀬が迫って参りますと5〜6月頃にスタートした工事物件の 竣工・引渡し のタイミングとなって参ります。写真のこのお宅は鳥取市郊外の丘陵地近く、農地を宅地転用しての物件でありまして こうしてめでたく竣工はしたものの 建築計画からは足掛け2年が経過しております。パッシブ設計計画の基本でもあります 南面の大開口部からは 照射角の低くなった冬の日射(ダイレクトゲイン)を存分に取得する目論見となっておりまして とても明るくてテンションの上がるDK・リビング の一体空間が実現しています。暖冷房計画は 全熱交換型の第1種換気を備えたOMX。オールシーズン・全天候型の太陽熱利用ヒートポンプ式全館空調システムですが、システムの基本は従来の太陽熱利用・OMソーラーですので 空調システムとは言えど 通常のエアコンのようにスイッチオンの瞬間から電気をバリバリと消費するのではなくて まずは自然の力(太陽熱)を屋根から存分に採り込んで暖房利用し 不足する部分があるときに はじめて電力でエアコンが補うという順序。さらにはその電力さえも屋根で作っていますので ひとつの屋根から「太陽熱」と「電力」を生み出すという 唯一無二の超省エネ空調システムとなっています。今年度の国土交通省・サスティナブル先導事業(補助金対象)にも採択されているシステムです。
システム詳細につてはこちらの動画を。 「OMX」
Nさま邸のリビングはピットイン型
浜松・半田山リノベPJ のキッチン
今年の春スタートのPJでありまして 設計監修を仰せつかっておりました 静岡県浜松市の大規模リノベ「半田山PJ」。皆様のご協力のもと この度無事に竣工を迎えることができました。築30年を経過したOMソーラーの家を、オーナーチェンジの機会に 断熱・耐震改修を行いまして、最新のOMX搭載の家へ刷新するというなかなか大掛かりなリノベPJでございました。今でこそ住宅の温熱環境指針「HEAT20」のG1グレード、G2グレードなどは 私たち住宅の設計者にとって日常のものとなっておりますが、今から遡ること30年前の断熱性能とは 如何ともしがたい性能値の非常に乏しいものでございまして、内部壁の解体時は ある意味衝撃的なものでもありました。そんなこんなで解体スケルトン状態から 下地工事・意匠検討、そして仕上げ・竣工まで漕ぎ着けて参りましたが、このPJで得られた知見も数知れず、とても有意義なものとなった次第です。このPJに携わって下さいました多くの皆さまのご尽力に感謝しますとともに お施主様の益々のご繁栄・ご多幸を祈念いたします。
リビングからのビュー。
竣工の鳥取市Yさま邸 キッチンの傍(奥)に在るデスク
「COVID-19」の影響により、外食の機会が減りつつある昨今でございますが 料理の腕に覚えのある奥様・ご主人様にとりましては「おうちごはん」への執念を滾らせる格好の機会ともなっているものと思います。毎日、気合いの入った料理の数々とはなかなかいかないものでしょうが、ちょっとお手すきの合間に傍のデスクで 時短・手抜き料理のレシピ本、など開いてみてはいかがでしょうか。日々の喧騒からちょっとだけ開放され、息抜きコーナーとしてもご利用ください。もちろん仕事場、PC作業、お子様の宿題デスクとしても活躍いたします。
ユニテ・ダビタシオン
よくある公団住宅ではありません。よくよく凝視してみますと 窓の側面や軒天部などにカラフルな色が散りばめられ この建物が ただもので無いことが徐々に理解できてきます。そう、コルビジェ設計によるユニテ・ダビタシオン。2年くらい前に訪れたフィルミニ(フランス)での視察の様子なのであります。近くのラ・トゥーレット修道院・サンピエール教会・競技場 など数々のコルビジェ探訪の一環での立ち寄り先。
超有名なコルビジェの設計基準「モデュロール」 挙げた手の先は 高さ216センチ
このユニテ・ダビタシオンの内部もじっくりと探索するのですが、コルビジェの設計では建物の高さ寸法などはもちろんのこと、内部の設えの細部に至るまで 全てのディティールは 写真の「モデュロール」のSIZEが基準となっています。この「モデュロール」、人体から導き出される数字として近代建築のみならず現代においても脈絡と受け継がれておりまして 世界の住宅をはじめ公共建築など 人間にとっての居心地の良い設計寸法の黄金比指針として今でも利用され続けています。現在よく言うところの「人間工学に基づいて・・」と言えばそれまでですが 今から70年も前に 人間のSIZE・五感に忠実な寸法・規格などを研究し、様々な住居や施設に体系として表現・発表したこの「モデュロール」。まさに建築的偉業といっても過言では無いでしょう。建物内部の 設え・寸法などは圧巻で、人が着座した時の視線から紐解いた開口部設計寸法・枠設計寸法、肘・膝の位置から割り出したデスク・椅子の高さや角度・収納棚の高さ、食事の姿勢・寛ぐ姿勢などから導き出される照明位置の高さ・照射範囲など 枚挙にいとまがありません。また時間が許せば 内部居住区の寸法構成の数々をご紹介できればと思います。
モデュロール 現地解説員。
建物へ侵入してくる夏の西陽(にしび)。パッシブ的に室内環境を考察する上で 窓開口部からの西陽の照射侵入は なかなか厄介な問題であります。外部のフェンスや植栽にて 侵入してくる太陽光線を遮蔽することも重要なのですが もちろん完全ではありません。高性能トリプルガラスの採用や室内カーテン・ブラインドなど ガラスや部屋の中からの対策は多々あるのですが、そもそも窓面に太陽光を照射させない、というのことが一番有効な対策といえそうです。写真は外付けブラインド ヴァレーマ。このブラインドは なるほどブラインドでありますのでシャッターのように巻き上げ収納が可能なのですが、適度な光の採り込みや室内から外の景色を見ることが出来るようにように 羽根の角度が自在にコントロール可能となっています。いわば古来の簾(すだれ)の高性能版。開閉操作はもちろんのこと ルーバーの角度調整などが室内からリモートで操作可能となっています。またブラインドを締め切った状態での防風・雨水侵入対策などもしっかりと担保されていますので 簾と雨戸の二律創生装置といった感じでしょうか。夏の西陽対策として特に大開口部において 非常に有効な措置なのではと思う次第です。
某所・住宅街のかどっこにて計画進行中でありましたTさま邸。昨年の暮れに上棟を終え、その後順調に推移いたしまして 現在は来週のお引き渡しに向け、植栽工事の真っ只中であります。植栽工事もなかなか、そこそこの難易度がありまして 植え込みをする木々の配置や枝ぶりなどをよく勘案しながら決めなければなりません。今回も建物とのバランス、アプローチへの配慮など、喧々諤々しながらの植栽工事。自社施工ならではの面白さはあるものの、いつも少々骨が折れるのであります・・。
配置検討・植栽の真っ只中。 内部はこんな感じに納まっています。
薪ストーブのある家・ S邸の模型。
模型からでは建物の周辺状況までは想像しにくいですが このお宅は広大な敷地・田園風景の中にポツンと一軒家の予定であります。ご家族4人の小さな家なのですが 各種の機能が効率よく、そして過不足なくまとまったプランとなっています。敷地の環境、ロケーションをフルに活用して将来はユニークな計画もお有りのよう。完成まで精一杯のお手伝いをさせて頂きます。しかしながら郊外の田園地帯のため まずは各種の申請手続きから。
2月とは思えぬ陽気の中 無事に上棟。
例年になくと言いましょうか、昨年に引き続き 今年の冬も超暖冬のようでありまして これまでに雪の便りはゼロ。現場も予想外!?に順調に進んで参りまして 本日はめでたくKさま邸の上棟を挙行。この先も特に大きな寒波到来の知らせもないようで 現場進捗的にはありがたい限りであります。山陰の、とくに鳥取の1月、2月の上棟といえば これまで雪の洗礼を容赦なく受けてきた感があるのですが、ここのところの大変穏やかな「真冬」には 一抹の戸惑いを感じつつも 有り難く頂戴致したいと思うところであります。
傍らに通り土間が展開するリビング
市内某所。夏から工事をスタートしておりました 通り土間のある家 がこの度ようやく完成の運びとなりました。通り土間といっても ただ人が通るだけではなくて ご家族の多目的スペースとしても機能するように 広く・長く 展開配置しています。もちろんキッチンやダイニングとも一連のワンルームとなっていますので ご家族の気配や繋がりが感じられる一体空間として構成されています。この通り土間は 上階への階段とも交錯させていますので 動線や上階とのバッファゾーンとして、また温熱的な繋がり風洞エリアとしても機能しています。全館冷暖房システム(OMパッシブエアコン)も 省エネ運転ながら 家の中どこへ行っても23℃と まさに春の陽気。
朝陽の差し込む食卓
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